教室に放置している幸福の木にふと目が留まった。
若葉の間から芽のような見慣れぬものが現れていた。
あろうことか日増しにニョキニョキ伸びてきた。
七田がそれをじっと見つめている後ろ姿を何度か目撃。
やはり気になっているらしかった。
ある夜、教室のどこにいてもいい匂いがすることに気付いた。
最新の毒ガスか!?と一瞬疑ったが、えも言われぬその匂いを最大にすべく鼻の穴で吸いこんでいたところへ七田が外から戻り「うわ、この花すごい匂い!」と叫んだ。
なるほど犯人は幸福の木の花であったか。
翌朝、何事も無かったかのように花はしぼみ匂いは消えていた。
けれど夜になるとまた知らず知らずに花と鼻の穴が開いた。
幸福の木の花は5~10年に1度とも言われている。
写真の解説:
幸福の木の花が咲いているところをパチリ。
特に手入れをした覚えもない上に、ちょっとジャマなところに置いているため当たってひっくり返ったりもしている。
花は1週間ほどで終了。(2017.3.9撮影)